泣くぞ、俺。

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つい出来心で購入した真璃子のベストアルバムCD。
とんねるずの妹分(うぷ)としてデビューした真璃子といえば、当時でも「歌はうまいが・・・」と最期の言葉がにごっちゃうタイプで(笑)、いや、そんなにひどいわけじゃなかったけど、当時といえばおニャン子全盛で、見た目がちょっとよければそれでいいという時代だったし、今みたいにガールズポップにアーティスティックな印象を持たない頃だったし。
時代が違ったねぇ、という感じはしないでもない。
その中でも、松任谷由実による「セシルの週末」は、その松任谷由実のトリビュートアルバムでaikoがカバーするほど通好みな一曲で、涙モノだ。真璃子の表現力もすばらしい。ちょっとだけ斜に構えた女の子の、ちょっとだけ普通の女の子の、ちょっとだけ悪い子の声。
すでに引退してしまっているし、普通の生活をしているらしい真璃子を、いまさらながら聴いてみて、ちょっと昭和を懐かしんだりしてみたワケだよ(笑)。

よつばと!(2)

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ってなわけで、「よつばと!」の二巻目。
この現代にあって、ありえないテンションを保ちつつ、つぼはきちんと押さえるギャグが心地よすぎる「よつばと!」だが、それは今回の第二巻も変わらない。

賛否両論はあろうと思うが、ある意味においてはやはりいい才能だなぁ、と思う。
っていうか、すごいなーって思うのは、やっぱりこの「ちょっとした笑い」を普通の生活の中から見つけ出すことだ。あんまりにも普通過ぎて気づかないことだよね。うん。

70年。

ニッカウヰスキーが創業70周年を迎えた。
アサヒビール傘下となりながらも、ブランドとして今でも成立していることを嬉しく思うし、70周年という年輪を重ねられたことを末席ながら祝したいと思う。

ニッカウヰスキーでは、創業70周年を記念して、いくつかのイベントを用意している。
《ニュースリリース》

○『ザ・ニッカウヰスキー ピュアモルト35年』と『ニッカウヰスキー 70th Anniversary Selection』、『キーモルト&カフェグレーン ブレンドキット』、『ニッカ アップルブランデー弘前20年』の発売

『ザ・ニッカウヰスキー ピュアモルト35年』は6月22日から7月30日の間の限定受注期間を経て、9月15日に500本だけ発売される、ウイスキー。
《ニュースリリース》
700mlで70000円、日本でも屈指の高級ウイスキーということになろう。長らく好評価を受ける「余市」を初めとした良質の長期熟成モルトをブレンドしたピュアモルトとなる。

『ニッカウヰスキー 70th Anniversary Selection』はニッカのマスターブレンダー特選によるシングルモルト余市12年、シングルモルト宮城峡12年、シングルカフェグレーン12年、ニッカマスターブレンダーズブレンド12年の4本をセットしたもの。700mlの4本セットで35000円、2000セットの限定。7月2日、酒販店での発売となる。

『キーモルト&カフェグレーン ブレンドキット』は7月16日からネット限定で発売される。余市と宮城峡の各蒸留所で蒸留・熟成された5タイプのモルトと、カフェグレーンウィスキー1ツに、メスシリンダーとブレンドガイドをセットしたブレンドキット。自らブレンドを試して、味わうことができる。1000セット、15000円でネット限定販売となっている。

『ニッカ アップルブランデー弘前20年』は「ニッカ」の名前の由来である、創業当時の社名「大日本果汁株式会社」のさらに由来であるりんご果汁を100%使用した樽出しのアップルブランデー。個人的には一番興味が湧いている品。6月25日からネットでの限定販売となる。1000本限定で700ml15000円である。

○ 『ブレンダーズバー』開店
東京、青山に「ウイスキーファンとブレンダーのコミュニケーション・バー」と銘打って、直営のバーを開店する。
ニッカウヰスキーの全製品を取り揃え、ネットショップ限定のものなども味わえるという。
またニッカのマスターブレンダーを始めとした技術スタッフが定期的に来店し、ウイスキーファンと交流する機会を作る。
オリジナルウイスキーや社内外の講師を起用した講座なども予定しているという。

○「ニッカウヰスキーの歩みと蒸溜所写真展」開催
余市、宮城峡の各蒸留所の美しい四季の風景と様子を写真家の岡田元伸氏による写真で楽しめる写真展を、それぞれの蒸留所で開催する。
5月22日~6月20日宮城峡蒸留所、6月26日~8月31日余市蒸留所での開催となっている。

全てのgive and takeのgameにさよなら。

ふと、昔のことを思い出すことが多くなってきた。
思い出すといっても、そういえばこんな感じのこともあったっけな、ということであって、そのときの色々な事をはっきりと思い出すというようなものではない。情景も、そこにあったものもの、そこにいた人も、なんだかぼんやりしている。時には輪郭さえはっきりしない。
歳をとったことを悔いるつもりはこれっぽっちもない。ただ若い頃、あまりにたくさんのものを捨てたり、あるいは自分のものにせずに放置したり、あるいは気付くことも無く過ぎ去ってき過ぎたような気がする。
改めて思い返せば、ただただ後悔するばかりの人生だった気がする。何度も何度も、あの時こうすればよかったと悔やむばかりの。何ヶ月か後にはそう思い、そして何年か後にまた似たような失敗をしていた。

歳をとったんだなぁ、とただ漠然と思う。といっても、平均寿命からすれば、まだ半分にも到達していないのだけど。それでも、たぶんこれからの人生の重さに比べたら、いままでの人生のスピードというべきものの方が、圧倒的に印象深い気がする。

何も変わらないのも、ちょっと悪くない。

誰もが不確かな足元に我慢しながら立っている。偉いものだな、私など我慢できずに転びまくっているようなものだ。
あの頃、私が若いからといってサヨナラを言った人の歳を、私は当の昔に越してしまった。だからといって、私には誰かを若いからといって拒絶することは出来そうにない。人はそれなりに成長するものではないということなのか、それとも単に私の問題なのか。苦笑が漏れる。

苦笑を見咎めたのか、バーテンダーが1本のボトルを持って近づいてくる。
「これなんですけど」
腰に手を当てて、ボトルを私の目の前に置く。顔はいかにも困ってるんだという顔。ボトルはマール・エグラッペ・ドゥ・ブルゴーニュ・ドゥ・ジュヴレイ・シャンベルタン、ニジョン(ネジオン)・ショヴォーの稀有なボトルだ。見た目はぜんぜんそれっぽくないが。
「もう無いんですよ。」
そういって溜息。ボトルの中を見ると、もうあと1cmほどの高さもない。このバーテンダーの癖だ。残りを使い切ることなく、次のボトルが見つかるまでそうしておくのだ。味や匂いを忘れないきっかけにするのだ。
「もう一本、手に入りませんか。」
つまりそういうことか・・・(苦笑)。そう、これは2年前、僕がバーテンダーにお歳暮と称してあげたものだ。バーテンダーが探してみたぶんには、ちょっとも情報がないまま行き詰まってしまったらしい。

まあ探してみるよと答えて半年近く経った。

実際に探してみると見つからない。2年前に買ったところではすでに終売していて、当時のバイヤーもわからない。ワインブームの終焉とともにやってきたワイン周辺のアイテムへの興味の移行でマール、グラッパ、シェリーなどというマイナーなものの売れ行きは増大している中で、どうにもこうにもこのボトルの消息が見つからないのだ。
同じ醸造元の別年度のものもない、いやまして別の製品(例えばワインなり別名のマールなり)も何も見つからない・・・。ときおり、海外のオンラインショップのリストにあがるくらい。

先日又せっつかれたので、初心に戻って改めて探してみると多少のことがわかった。どうやらワイン生産をしている醸造家ではないらしい。これもまだ調べている途中なので、心もとないが、移動式蒸留器でもってブルゴーニュのコートドォールを巡っているらしいのだ。バガボンド(笑)。
高名で高価なワインも生み出す銘醸のマールではなく、このマールがうまいのはなぜだろう。
エグラッペとは葡萄の房ごと絞る従来の方法ではなく、房から果粒を取り外し、枝の部分(果梗)を取り除いて絞ったものの、絞りカスを使用したもの。枝の部分の雑味を含まない分、軽やかですっきりとした味に仕上がる。
実際、このマールも鮮烈というよりは軽々とした残り香で、舌触りはやわらかく、後味を主張しない。綺麗な香りを鼻腔に通したあと、潔く消え去る。甘味はいやらしさを感じさせず、酸味は控えめでわかり易い。
ピノノワール100%で、カラーリングもフィルタリングもされていない。

漸う日本で売っている店を1軒みつけ、注文して取り寄せた。この店の在庫が終われば、日本では本当に手に入らなくなるかもしれない。
これをもってまたバーに行く。バーテンダーは喜ぶだろうか。苦笑しても見逃してくれないだろうか。
そういえば、あの頃はこういう喜びを感じることはなかったかもしれない。フム。私も少しは成長しているのかもしれないな。

(いや、単に変化しただけかもしれない)

5月の狙い目

05/01 白泉社 花よりも花の如く(2) 成田美名子
05/17 双葉社 BAR レモン・ハート バッカスが惚れる酒 古谷三敏
05/19 集英社 GANTZ(13) 奥浩哉
05/28 小学館 MOON LIGHT MILE(8) 太田垣康男

レモン・ハートは番外の特別編集とかか?
最近ほんと過去モノが増えたなぁ。
25日に夢路行の全集というのが3巻立てで出る。スタジオDNA刊。やばーい。