Red Cliff Part 1

「レッド・クリフ」なのか「赤壁」なのか、邦訳タイトルをどっちかにしてくれたほうがうれしいところなわけですが。たぶん「レッド・クリフ」ですよね。

中国文学史上に燦然と輝く金字塔「三国志演義」の中でも、いわゆる「赤壁の戦い」の場面は、わずかな軍勢を集めて、すでに王朝中枢を掌握し権勢を縦にする曹操と赤壁の地に対峙する孫権の将周喩と劉備の軍師諸葛亮。

と、三国志演義を知ってる人なら誰もが知ってる天下分け目の戦いを、二回に分けてジョン・ウーが映画化。


率直にいきなり感想をまとめると、映画としては古典的な中国歴史ドラマになってしまっているのは、正直残念ポイントじゃないかと。

豪華俳優陣を並べていながら、史実にも「演義」にもない名前の人がたくさん出ていて、話を意味もなくわかりにくくしている。甘寧をモデルにしていることがはっきりしていながら、わざわざ甘興という名前に置き換わっていることなどは、なぜわざわざ?と思う。

それも演出、というのであれば、八門の陣などという意味不明なくだりはどうかと。間延びして動きに乏しいただ大勢なだけのエキストラを使って、長々と「閉じ込められて殺される兵たち」というシーン。せいぜい半分の時間でよかったと思うし、結局実際の「赤壁の戦い」と呼べるあたりまでPart1の中で話が進まなかったのは、こういった無駄な演出のためだったと思う。その他の無駄な演出として指摘しておきたいのは、孔明と周喩による合奏の場面、周喩と小喬のベッドシーンなど。

その辺の演出しだいでは、Part1中で曹操への「連環の計」から火計に入るあたりまで描けたのではないかと思う。そうすれば赤壁と同時に孫権が仕掛けている合肥城での虚虚実実の駆け引きや、南郡での攻防なども描けたのではないかと思う。

なーんて、そういってもPart2をみたら、そこまで描いてたりしたら、すごいんだけどw

あとすごく気になったのは周喩と諸葛亮があんまりにもするっと仲良くなること。これって現代的な解釈だなーと。「演義」においても周喩はずっと諸葛亮を信じきらずに意地悪ばっかりしているのにw

とはいえ、Part2が公開されたらとりあえず見に行くとは思います。Part1をみておいて、Part2をみないで済ませるのはなんだか片手落ちという気がするから。

# どうでもいいことですが、周喩役のトニー・レオンがジャリズムの山下しげのりに見えてしょうがなかったことを書き添えておきます。どうしてもw トニー・レオンって歳を重ねるほどにジャリズム山下に似てくるわー。

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