劇団四季ミュージカル・コーラスライン

遅くなりました(書いてるのは11月16日)、4日の水曜ソワレでコーラスラインを観てきました。
初めての自由劇場での観劇。これで四季のオリジナル劇場はすべて入った!と思ったら観た時点ではそうだったのだけど、書いてる時点ではそうでなくなってしまった(笑:キャッツシアターができたから)


開幕時、リチー役に松島勇気さんが配されてて、うな大喜びだったのだけど、我々が観に行ったのは3週目、すでに松島さんなどは降板しておりました。
あらま・・・どうやらここ最近の四季は、開幕時2週間ができる限りの豪華キャストで、その後普段着なキャスト(といっちゃ悪いけど、すいません)になる感じ。
大物感は少ないけど、小粒でもぴりりと辛い配役でした。

ザック役の深水彰彦さんは初見。ちとごついザックで、悩み多き振り付け師というよりは、なんだか体育教師みたいだったりしてw 最後のカーテンコールでお決まりの金のタキシードでにこやかに踊ってるのをみてびっくり。それでいいのかザック!?って感じでw
キャシー役の坂田加奈子さんとシーラ役の増本藍さんは名前は知っててもちゃんと観るのは初めてかも。キャシーのソロは後半ちょっときつそうだったのが残念。ザックとの言い争いもなんだか女優としての必死さというよりは、元恋人同士の喧嘩みたいだったな。シーラの迫力は悪くなかったけど、演技力的には演出がもったいない感じ。もっといいせりふがあってもいいと思う。客席もシーラのウィットなせりふによく沸いていた。
リチー役の西尾健治さんはウェストサイド物語などの舞台では細くてきつめの目とか意志の強そうなおでことかが似合っているけど、いつもトップの成績でやってきて逆に行く末に不安を感じるリチーという役はちと雰囲気が違う感じ。何しろ四六時中怒ってるような顔なんだものw
ポール役の田邊真也さんは一段上の演技力が光っていた。やや悩みに沈むポールという役にしては、顔色が明るすぎな気がしたけど、全体からみると一番役に真実味を与えていたと思う。
ディアナ役の熊本亜記さんは歌はうまいが、声が僕の好みじゃないところと、なんとなく発音が悪いというかちゃんと歌詞が聞き取れない感じがして、なじめなかった。なじめなかったといえば、”What I Did for Love (愛した日々に悔いはない)”がディアナのソロ曲になっていること。これは映画版を観ていた自分だから思うのかもしれないが、ちょっと違うくない?っツー感じ。キャシーがダンサーの役目になったので、もっとも聞かせなくちゃいけないこの曲がシンガーに当てられたのかもしれないけど、演出的にもなんだか無意味な気がしてしまった。

全体的に曲も演出も、いわゆるイマドキな解釈とは違うものが多くて大変だった。古臭いといえばそれまでかもしれないけど、現代的にある程度演出を変えていってもいいんじゃない?と思う。曲や基本的な流れは変えなくても。このままでは、単なる「古典」としてしか生きていけなくなってしまうんじゃないか、と心配。いつまでもミュージカル俳優たちの心の表現の場として、つないでいってほしいと思う。

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