スカイマーク騒動

スカイマーク、機長風邪で運休…代わりおらず

スカイマーク機の機長が風邪を引いたが、代わりがいないんで運休になっちゃった、というお話。
なんでこんなことになったかっていうと。

副操縦士、飛行中に操縦室でクルーと記念写真

副操縦士をはじめ、機長やCAら合計14人を解雇、出勤停止、減給処分などにしたり

飛行の安全重視の機長、交代させ即日契約解除

首を切ったりしたから。

てか、このネタ、元は一番したの機長解任騒動について書こうと思っていたもの。

これは、読売の記事ではあっさりと書かれているが、意外に重大な問題をはらんでいる。
チーフのCAが風邪上がりで大きな声が出せないことにブリーフィングで気づいた外国人機長が、このCAの交代を要求した。が、まずスカイマーク社長がこれを否認。CAの交代はしないで運行するよう外国人機長に命令したがこの機長は受け入れなかった。これに安全統括責任者である会長が加わり、外国人機長の当該運行からの解任を行い、CAの交代なしに運行することを受け入れた機長に替えられた。議論の際、社長により暴力的行為(手をあげた、ととある記事には書かれていた)を外国人機長は管轄署に被害届を提出したことから、スカイマーク側はこの外国人機長を即刻契約解除とした。

一般に、というか、日本の企業風土から言えば「なにそれ、別に問題ないでしょ」ということを言う人が多いかもしれない。
日本の企業風土からいって、「社長のいうことは絶対」とか「安全統括責任者が最終的な決定者」みたいに思うんだろう。
だけど本当はこうあるべきじゃない。まして人の命を預かっている航空会社なんだから。

航空機における責任者は、絶対的に機長に終結する。それは日本だろうがアメリカだろうがイギリスだろうがペルーだろうが。そして民間であろうが非民間であろうが。例えばの話、目的地へ飛んでいる旅客機がエンジンがすべて停止するような危機的状況にあって、緊急事態宣言した時に、到達距離は短いが天候が悪い空港Aと到達距離は長いが天候が良い空港Bのどちらに着陸するかの選択は必ず機長がする。それがたとえ空港Aに航空会社の営業所があってアフターフォローがやりやすく、空港Bにそれはないので、航空会社の社長がどうしてもAに降りろといっても、機長が空港Bと判断したらそれは絶対ということになる。
それと同じで、運行クルーに不適格者がいたら変更させる権限は機長にある。それ以外のだれでもない。当然のことなのだ。外国人機長はなぜ社長や会長がそれを止めるのかまったく理解できなかっただろうと思う。
それが「安全統括責任者」でも?といわれるなら、「安全統括責任者」って何ですかと問いたい。これもまた日本の企業風土の問題といわせていただくが、こういった命令指揮系統の階層における、責任と権利の所在のあるべき姿がまったく理解できていない。グループAに対する命令の権利と、その命令にある責任は、すべてグループAリーダーのものだ。グループAがプロジェクトBに所属していようが、カンパニーCに所属していようが、プロジェクトBリーダーはグループAリーダーの叙任、解任にかかわる権利しかない、カンパニーCリーダーにおいてはグループAリーダーに対する権利なんてほとんどないに等しい。つまり、課長Xが責任者と決められた課の目標に対して、X課の所属しているY部のY部長は解任することはできるがX課の目標の変更はできない、ましてZ本部長とかZZ担当副社長とかZZZ社長なんてのはせいぜい直下の部下に「お前の直下の部下に言え、あれは何とかしろと」と言うくらいのことしか出来ないのが当然。当然そういう「意向」はすぐに伝達するんだから同じことといえば同じことなんだけど、日本ではこの上位の肩書きが多すぎるうえに「意向」はつまり「命令」と認識するからおかしいことになる。大概、会社の中でずっこけるプロジェクトなんて、その謎の肩書きの人が余計な口出しをするからずっこけるものだ。
安全な航空機の運行の責任を負う機長に対して、解任するのはいいよ。でもCAの交代を拒否するなんてのは、おかしい、と言う話。正確に言うと、本来CAの交代を拒否する権限は社長にも会長にもない、CAを交代させて運行を実施し、のちに正当な理由をつけて機長を解任するべきだった、ということ。正当な理由がみつかるのであれば。

例えばコクピットで写真とってたとかね。

この会社ほんと大丈夫だろうか、と心配になってきた。この1日で。

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