19の夜

待っているのか、それとも待たせているのか。
呼んでいるのか、それとも呼ばれているのか。

もやもやとして霞のように周りは見えないのか、遠くまで突き抜けて何もない空のようなのか。
1ピースあまっているパズルのような、1ピースしかないパズルのような。

そんな日々が、僕の19歳だった。モラトリアムと呼ばれた。

僕はそのときモラトリアムという言葉をしって、それが確かに自分のありようそのものだと思った。
明らかに僕は猶予されていて、これからどうするのかを何の手がかりもないままに自ら探さなければならないように仕向けられていて、そしてそれに乗り気になれないでいた。
自分がやりたいこと、自分にできること、自分に求められていること。そのどれもが僕の中になかった。

どうして18歳じゃないんだろう、どうして20歳じゃないんだろう、そんな言葉にもできない疑問符の中で、ただじっとしていた。
その先にたぶんあるだろう、今とは違う時間がくると思いながら。

そして、それからもう20年も経ったのかと、半ば呆れ顔で僕はこれを書いてる。
あー、厄落とし行かないとなー。

そんな39の最後の夜。

“19の夜” への2件の返信

  1. お誕生日おめでとうござんす。
    上手く行ったら、ラムをお土産にするからね~

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