恋の終わりはいつもいつも、立ち去るものだけが美しい

先日のbLogでなじみのバーテンダーが故郷へ帰るために店を辞めるって話を書いたけど。
本当にこういうことはよくあることで、というかバーなんてものはもちろん水商売だし、ぱたりと店を閉じてしまったり、ふらっと辞めてしまうような人も結構いる。
幸いなことに僕は辞めていく人の9割がたはそれとわかって辞めていくその場に立ち会ったりするのだけど。
やっぱりどうしても忘れられないのは、「CLUB JIDAIYA」から2年間のイタリアン修行を経て「月灯(GETTO)」に入った「美浦君」。同い年で、ホモネタ好き(笑)、食い物の趣味が合う、などなんとなくソリが合った人で、彼が神戸で彼女と(この彼女とのいきさつも面白いのだが、さすがにプライバシーに関るのでやめときます:笑)店を始めるべく月灯を辞める日は、狭い店にみんなぎゅうぎゅう詰めになって立ちっぱなしで飲んだっけ。彼のつくるパスタのおかげで僕はパスタに目覚めたし、彼のビルドスタイルのカクテルのおかげで僕はつまらないこだわりを捨ててカクテルを飲むようになった。彼が見たいからという理由で映画「羊たちの沈黙」を店のモニターで見始めたら、そこにいた客(僕も含めて4人)全員が映画に集中しすぎて1時間くらいの間、まったく注文しなかったししゃべらなかったこともあった。彼の夕飯だったモスバーガーを、なぜか分け合って食べたこともあった。
「BOLS」に初めて入ったときにカウンターを一人で守っていた、おそろしく地味な出で立ちでおそろしく渋いテクニックとニヒルな口を持った女性バーテンダー。
見た目は女の子が震えるほど美形なのに、飲むと手がつけられなくなるほどの暴れん坊だった「BAR JIDAIYA」の中村さん。
どう見てもヤンキー(あるいは元ヤン)にしか見えないけど、つくるカクテルは繊細だった(?)「Tenderly」の田村さん。
バーテンダーじゃないけど「BaoBab」の小林君の作るパスタはいつもうまかったな。
ああ、まあ譬え始めるときりがないか。
ともあれ、そういった人たちとのいったりきたりが、また楽しいのだ。

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