約50日目。初めての対面。1


ウチにくることに決った子です。目の色は、まだまだ中途半端な色です。これからグリーンに変わってくるはずですが、今のグレーもなんだか毛色とあっててシブいなぁ、などと思ってましたが、ブリーダーさんの前では言わず(笑)。

“命の水”を探して(3)

人は、色を記憶するのはあまり得意な方ではないということを、ずいぶん前に聞いたことがある。テレビかなにかだと思ったが、うろ覚えなので、自信はない。
でも、ふと考えてみると、匂い、味、音(言葉、声)、感情や思考のようなものの記憶が大概単純で単層的(情報が一つであるかのよう)なのに比べて、風景の記憶は複雑で多層的で、その一段階にある色の記憶はどこか抜け落ちているというか褪せているという感じがしないでもない。
色という感覚、記憶はもっと感情的で、新鮮であるからこそ意味を持つもののようだ。
琥珀、と呼ばれる色の話。
琥珀というのは、太古の木から染み出ていた樹脂(ヤニ。つまりマツヤニとかの、アレだ)が、化石化したもの。木のヤニには昆虫が集まることが多いので、ヤニに足を取られたまま化石化し、現代にあって琥珀に閉じ込められた昆虫がそのまま見つかる例も多い。大ヒットした映画「ジュラシックパーク」では、冒頭、この琥珀に閉じ込められた吸血虫の体内に残っていた恐竜の血から得られたDNAで、恐竜を復活させる。
そのものの特性として「擦ると静電気が発生する」などあるが、それはまた別の話として。
濃い茶色の、半透明のグラデーションをもつ琥珀は、とかくウィスキーの色の表現に引き合いに出される。比較してみると確かに良く似ているし、長い時間を経てこの色になるのだという点においても良く似ている(もちろん、琥珀は何万年、ウィスキーは何十年という時間と、差は大きいが)。
スコッチモルトウィスキーは、蒸留が終わった時点では、ほとんど透明に近い。麦の色も、麦を燻したピートの色も、蒸留という工程の間に、釜に残してしまうからだ。
あの美しい「琥珀色」は樽(カスク=cask)で熟成される期間において、生まれ出るものなのだ。
樽は、オーク(樫)の木で作られている。木の色素、樽詰めの際に添加されるカラメル(規定によって厳格に定められている糖分を含まない、それこそ琥珀色の液体)が、主たるウィスキーの色あいの素になる。これが基本だ。
そして蒸留所によって、樽への仕込みに特色がある。
オーク樽の内面を、ピートで炙り、焦げ目を付ける。
シェリーを熟成させて、中身を出しきってしまった(廃用ということである)樽をスペインから取り寄せ、これを使う。
同様にポートワイン(ポルトガル)、マデラ酒(ポルトガル領マデラ島)などの樽を取り寄せて使う。
等々・・・。
シェリーなどの熟成に使われた樽は、内面に酒が染み込んでいて、逆にアルコール度数の高いウィスキーを入れると、染み込んでいた成分がウィスキーに溶け込んでくる。これを利用することで、ウィスキーにシェリーやポート、マデラなどの風味を加えることができる。
「シェリーカスク」などと命名されているボトルは、つまりこういうものである。
色合いも、長期熟成されるシェリーの特色である濃いルビー色の影響を受け、特に濃い琥珀色を醸し出すことができる。
また、ウィスキー自体の熟成年数で、色合いは深くなる。長期に熟成する間、貯蔵庫の中で、ウィスキーはわずかながら蒸発する。樽は木製で、金属とは違いその木質中にも、また樽板の継ぎ目などにもすきまがある。ここからウィスキーの成分、特に水分やアルコール分が蒸発するのだ。俗に「天使の分け前」というものだ。
余談だが、日本にあるサントリーやニッカなどのウィスキー蒸留所(山崎、白州、余市など)に行ってみると面白いだろう。貯蔵庫内の見学もあるが、この入り口には「車でお越しの運転手の方は、入庫をご遠慮ください」と書かれている。
中に入ると、空気は強くアルコール臭、いやまったくもってウィスキーそのもの匂いが充満している。そこにあるのは密栓された樽だけで、決してウィスキーを撒いたり(笑)、栓を開けた樽を放置しているわけではない。
「天使の分け前」たる蒸発したウィスキー分が、そこに漂っているのだ。
樽内の酒が蒸発することで、エキス分が凝縮され、アルコール度数は当初70度以上あるものが、50度前後まで下がる。これにより、色合いも濃さを増すのだ。
バーなどで、複数のスコッチモルトを置いてあるところなら、一度頼んで、ボトルを並べてみさせてもらうといいだろう。
同じ蒸留所でも、製造年、貯蔵年数、樽の種類によって、色あいはまったく違う。
飲むときも、できればストレートのほうが楽しみが多い。ロックにすると、どうしても時間経過に伴って氷が溶け、味わいと共に色合いも壊していくからだ。どうしても強すぎる場合は、常温の水(次回に詳述する)を少し加え、味わいも色合いも壊れないギリギリのところを見極めてみてもらいたい。

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“命の水”を探して(4)

人体の6割とも7割とも言われている大部分は、水である。
地球上のほとんどすべての動物植物の、その起源は海の中にあり、多くが水をその生態の必需としている。地球の表面積の7割は海が占め、あらゆる大陸は海でつながっている。
私たちの中に、水は強く生きている。故に、私たちは水を求める。
“命の水”の“水”の話。
どんな酒でも、使われる水質は明確にその酒質を決める。ウィスキーのような蒸留酒においても、それは例外などではない。
スコッチモルトウィスキーの仕込みに使われる水は、湧き水か源流水(川水)だ。ピート層を通過して、褐色がかっている水もあるらしい。たぶん、ミネラル分が豊富なのだろう。
ラフロイグ蒸留所では、この褐色がかった水をケルト人たちの聖なる湧き水から得ている。20世紀初頭に、内紛からこの水が得られなくなるという事件が起こった。蒸留所を経営していた姉妹と、会社の代理人の軋轢から、代理人は湧き水をふさいでしまったのだ。
ラフロイグを飲んだことのある人は、是非その記憶の中にあるラフロイグを思い出してもらいたい。強いヨード臭、ピートの香ばしさ、潮の香り、ねっとりとした舌触りと、駆け抜ける稲妻のごときアタック。どんなウィスキーにも、決して真似のできない、まったくのオリジナリティをもっている、「あれ」である。
「あれ」は、その褐色の聖なる湧き水によってのみ造ることができるのだ。
経営者姉妹は裁判に打ってでて、しばらくすると、勝訴とともに、聖なる湧き水の権利を得た。ラフロイグ蒸留所は元に戻ったのだ。
しかし、この話はこれが問題ではない。
敗訴し、会社を追われた元代理人は、ラフロイグ蒸留所からわずかに離れた場所に新しい蒸留所を作った。ラフロイグ蒸留所の職人を引きぬいて、同じサイズのスチルを用意し、ラフロイグ蒸留所の聖なる湧き水のすぐ近くにある、別の水源から水を引いた。
しかし出来上がったそれは、まったくもってラフロイグとは似ても似つかぬウィスキーだったのだ。
日本の清酒が、その土地の水で仕込まれるのと同じように、スコッチ・シングルモルト・ウィスキーも蒸留所が独自に確保している水源から水を取る。
麦を麦汁にするため、水に浸ける。麦汁の濃度調整、蒸留するための調整用、そして樽詰めから解放され、瓶詰めされるためのアルコール度数調整の割水。すべて、同じ水を使っている(瓶詰めの場合、違う場合があるが、原則的には割水も同じものを使う)。
多くの蒸留所は、醸造・蒸留に使う器具類の洗浄などにも同じ水を使う。
また、これらの水は、なるべく無駄にならないようにリサイクルさえ行われている。
蒸留で残った温水は、周囲の水産家などがうなぎを養殖するのにつかったり、温水プールに使われたりするのだ。
多くの蒸留所とブランドを抱える会社「アライドドメック」が所有する、飲用水メーカー「ハイランド・スプリング」のナチュラルミネラルウォーター「ハイランド・スプリング(Highland Spring)」が現在、日本でも探し求めれば手にはいる。
蒸留所の仕込み水とは違うが、スコットランドの水、という意味でか、非常にシングルモルトウィスキーと合う。機会があれば、是非試してもらいたい。
よく、ウィスキーをストレートで飲むのは無理だという人がいる。逆に、ウィスキーはそのままで飲むもの、としている人がいる。
こだわるのも怖がるのも勝手だが、上で話しをしたように、ウィスキーはボトルに入れられ、出荷されるときには、すでに水で割られている。樽内では50~60度のアルコール度数で仕上げられるため、通常40度前後になるまで割水されてボトリングされるのだ。(樽からそのまま割水せずにボトリングされるものもわずかだが、ある)
水割り、というカクテルが、冷淡視されるようになって久しい。が、カクテルの基本でもある、ということをご存知だろうか。
1:1で水とウィスキーを合わせ、適度に混ぜる。これは、多くのブレンダー(ブレンデッドウィスキーの調合度合いを決める技師)が原酒(つまりモルトウィスキー)をテイスティング(ノージングとも呼ぶ。詳しくは後章にて)するときに、行われる方法だ。
アルコール度数を20度前後までさげることで、もっともブーケ、アロマの双方が開くといわれている。つまり、ウィスキーの香りや味を知るには、割水したほうがわかりやすい、ということだ。
そこまで薄いのが好みではない、という人も、ウィスキーを注いだグラスに、ティースプーンで常温の水(できれば、言うまでもなくハイランド・スプリング)を、1杯加えてみてもらいたい。味を確かめ、よく記憶するのだ。そして、次にもう1杯、水を加える。味を確かめる。
きっと、そのモルトウィスキーの中に隠れていた、もっと複雑な香りと味を、あなたは知ることになるだろう。
さあ、もう1杯、味を確かめて。

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“命の水”を探して(2)

名前というものの特殊性は、ほとんど理解しうるすべてのものに与えられているという一般性と比べて、いつもは忘れていることではあっても、強く強くそのものに影響を及ぼしている。
古今東西、名前を与えられたものは強く輝きを増し、私たちの目の前で主張をし始める。すばらしいシステムだ。名もないものは、決して私たちの目の前には現れないのだから。
古来日本では、言葉に魂が宿る(言霊)という概念から、名前もそのとおり魂が宿り、名づけられたものの運命に影響を及ぼすと考えられていた。また名づけ親という呼び名の通り、名づけたものは、名づけられたものを保護育成する義務を与えられた。
キリスト教において、クリスチャンネームは神から授けられる名前で、名づけられるものの「秘密の名前、真実の名前」と云われる。かつては聖別され、他人に知られてはいけないものであったという。
“命の水”という名前について語ろうと思う。
蒸留酒というもの、その製法は、中世、錬金術師によって編み出された。錬金術師は、蒸留という科学工程を「純粋化」と捉えており、醸造酒を純粋化することで、不老長寿の薬を作ろうとしたのが、すべての始まりだ。
ここから、ブランデー、ウィスキー、ジンが生まれ、やがてウォッカ、ラム、テキーラといったスピリッツ(後に魂と名づけられたわけだ)が生まれ育った。
錬金術師は、出来上がったスピリッツを味わって思ったのだろう。「これは不老長寿の薬、命の水に違いない」と。
やがて、紆余曲折を経て、スコットランドに渡ったスピリッツの製法によってできたのは、麦で作った醸造酒(すなわちビールである)であり、「Uisge Beatha」(発音は難しい。ゲール語であり、ウシュク・ベハーと読むと日本では言われている)と、錬金術師の命名をそのままゲール語にして名づけた。Uisge Beatha・・・。すなわち“命の水”である。
フランスではブランデーを「eau de vie」(オー・ド・ヴィー)、ロシアでは「Vodka」(ウオッカ=古語Zhiznennia Voda ズィズネヤ・ヴォダ)、北欧では「Akvavit」(アクアビット)、すべて錬金術師が名づけたラテン語Aqua Vitae、“命の水”から変化したものだ。
Uisge Beathaは、やがてウェールズ語などの他のケルト文化や、あるいはイングランド文化との交わりの中で変化し、Usquaebach(ウシュクベー)と呼ばれるようになり、更にやがて近世Wiskey(ウィスキー)となった。
蒸留所の個性が知られるような現代では、ボトルそのものに、蒸留所の名前がつけられ、販売されている。蒸留所の多くは、地元に密着した家内制手工業的産業で、地域色の色濃く残る場所にあり、蒸留所の名前もゲール語に由来するものが多い。
Isle of Islay アイレイ島(アイラとも発音される)の蒸留所を例にしよう。
Caol Ila:カリラと日本では発音される。語源はゲール語のCaol Ile。すなわち、アイレイ海峡のこと。アイレイ島の北端東側にあり、海峡を挟んで向こうにグレートブリテン島がある。
Bowmore:ボウモアと日本では発音される。語源はゲール語のBogh’ Mor、大きな湾のことであり、さかさまになったCの形のアイレイ島の、内側、湾部に面して蒸留所がある。
Port Ellen:アイレイモルト(アイレイ島のシングルモルトウィスキーのこと)の至宝、ポートエレンは、アイレイ島の南端にあり、島の言葉でPort Eilean(島の港)の意と、かつての領主の妻にちなんで付けられた意の両方が伝えられている。現在は蒸留を休止しており、わずかに残った樽が、ほそぼそと市場に出回っている。
Laphroaig:ラフロイグと発音される、スコッチモルト随一の癖と味わいで、激しい潮の香り、痛烈な(ヨード、消毒用アルコールと称される)味わいは「好きになるか、嫌いになるか、いずれか」と云われる、飲み手を選ぶシングルモルト。チャールズ皇太子の御用達でもあり、蒸留所にはプリンスオブウェールズの紋章が掲げられている。語源は「広い湾にある美しい窪地」という意味のゲール語から、といわれているが、実際にゲール語に該当しそうな単語や文章は見つからず、「洞穴のある谷間」を意味する「Lag Froig」がもっとも近いとされている。
蒸留所の名前は、土地の風景をそのままに伝えている。いかにして蒸留所をつくった人たちが、その蒸留所を立てた土地を愛しているかが、伝わってくるようだ。
私はせめて、名前を読み、そこに秘められている風景を想像しながら、シングルモルトウィスキーに溶け込められた潮の香りを、草花の匂いを、楽しむことにしている。

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“命の水”を探して(1)

酒には二種類しかない。
美味い酒と美味くない酒だ。
美味い酒の造り方はシンプルでわかりやすく作業の理由は明確だが、手間がかかる。美味くない酒の造り方は複雑なうえ、覆い隠されている部分があって胡散臭いが、すごく簡単にできる。
こうした単純なことで、世の中の7割は美味くない酒で満たされている。悲しむべきことだが。
美味い酒の話をしようと思う。
スコットランドの田舎道を行くと、信じられないほど延々と、ヒース(ヘザー)の野原が続いていることに気付くことができる。
アイレイにしてもオークニーにしても、小島へ渡ってもそれは同じだ。ヒースの野原、それそのものがスコットランドになっていることを、私たちは後に知ることになる。
近世、イングランドとの連合王国となったスコットランドの市民達に、強く圧し掛かってきたのは酒税という強権だった。あまりの酒税の重さに、グレンウィスキー(麦でない穀物を使ったウイスキー(麦芽税に対抗した))を連続蒸留器(底の浅い釜で、何度も蒸留を重ねる(釜容量税に対抗した))で作るといった逃げ道を考えた業者もいたが、そうやってさして美味くもない酒をおおっぴらに造るのもやめてしまった業者が多かった。
彼らは、地下に潜ったのだ。
山奥の川の源流や、誰もこない小島の岬に、小屋を作った。そして、手当たり次第、手近にあるものでウィスキーを造り始めたのだ。
麦は近くの農家から仕入れる。
水はもともと豊富な湧き水がある。
ふと困ったのが燃料だった。麦を煮、麦汁を造る。醸造された醗酵麦汁を蒸留する。いろいろな段階で熱が必要であり、それは莫大な量を必要とした。
しかし、さして彼らは困ったりもせず、そこらあたりの土を掘り出し、それを炉にくべたのだ。
「泥炭」と日本ではいう。ピートと呼ばれる、土状の炭は、何千年もの間、スコットランドの大地の上に、咲いては枯れ咲いては枯れを繰り返したヒースが、朽ち、腐敗し、泥化し、乾燥し、折り重なり、積み上げられ、圧縮されていったものだ。泥というよりは土で、腐葉土よりもかたく、粘土のようなものよりは、ずっと柔らかい。
このピートで麦を燻すことで、独特の甘味、独特に匂いの、主たる部分が創り出されているのだ。
これは、イングランドに隠れてウィスキーを造り始めた密造業者の昔から、変わらず連綿と続けられてきた、スコットランドウィスキーがスコットランドウィスキーであるための、まず一つめの理由なのだ。
そして出来上がった酒を、そこらに生えているオーク(樫)の木で作った樽に入れる。これも理由の一つだ。今は当然のようにし熟成期間を何年も費やしているが、これも密造業者にとっては苦肉の策だった。
密造したものを一度に裏市場に流すと、足がつきやすい。たくさんの相手と取引しなければならないからだ。自然と、少しずつ、少ない相手に少しずつ流していく方法しか取れない。ゆえに長期間、樽の中で酒は置いておかれることになった。また、業者自身逮捕されてしまったが、密造小屋の場所を吐かなかったため、小屋の中に長期間置き去りにされていたことも考えられる。
いずれにせよ、このようにして蒸留酒はオーク樽の中で長期間保存され、まったく別物の酒に変化していく。
オークの成分そのものや、アルコールと酸素などとの化学反応で、次第に琥珀色になっていく。
アルコールは揮発し、当初70度前後もあった度数は、10年で40~50度ほどになる。
柔らかさを増し、複雑な甘味と、切れ上がるアルコール香、ピートの香り、それらのすべてが強調される。
長期保存による熟成という概念が、ここに生まれたのだ。
今では、ウィスキーと呼ばれるものは最低でも5年、普通8年以上の熟成期間をもって出荷される。最高級な長期熟成酒になると、30年前後、さらには50年物なども存在している。
年を重ねるごとに、通常、味全体は丸みを帯び、香りは複雑に、かつ柔らかくなる。値段も張るが(笑)。
しこうして、スコットランドにウィスキーは根付き、やがて酒税法の緩和に伴って密造小屋は蒸留所となり、初めは業者が飲みやすい味になるよう、割水し、いくつもの蒸留所の酒を混ぜて売っていたが、人々の本物志向に後押しされる形で、一つの蒸留所で、一つの畑から取れた麦をもって造った酒を、瓶に詰め、売り出すようになった。これがシングル・モルト・スコッチウィスキーである。
1980年前後、数多くの蒸留所が閉鎖に追い込まれたが、逆にそのせいで、シングル・モルトを造ることができる、80余りの蒸留所は、今、非常に大事にされている。スコットランド文化の一つであるという誇りとともに。

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