weblogなんて

weblogなんてくだらない、みたいな話を聞いた。
そうかなぁ?くだらないっていうなら、僕をくだらせるほどのものを書いてくれれば納得するのに。
ゴミみたいなのが多い、というのがその主張の根幹にあるようだったが、そもそもウェブ上に散らばっている情報の8割がたはゴミじゃないのか、weblog以前から。
weblogというのは、つまりは仕組みでしかない。CGIでしかないはずだ、ということを、以前に別の人に言った。weblogという仕組みがつまらないblogを生み出すのではなく、単に書いている人がつまらないだけだ。その人が書こうと思ったとき、ただそこにあったのがweblogであり、もしweblogがなければ、HTMLで書いたか、ジオシティとか楽天とかの簡易エディタを使ったんだろう?ということだ。

そもそもweblogってなんなの?という人もいる。
そんなこと知ってどうするんだろう?そういう人は「そもそもHTMLってなんなの?」とか「そもそもWWWってなんなの?」ということに対して疑問は持たないのだろうか?あるいは解決済み?ならweblogについて疑問をもつ理由なんてこれっぽっちもないと思うのだけど。
僕はweblogをここにインストールして大変助かっている。仕事柄HTMLも書くけど、やっぱり結局のところ面倒くさい。HTMLを書いて、ローカルで確認してFTPでアップロードして、またブラウザで確認する。面倒くさいでしょ、どう考えても。それに比べて、CGIによるコンテンツ吐き出しの仕組みは、テンプレートになっている部分が自分好みになってさえしまえば、あとはただ書きたいときに文章を書いてプッシュするだけで、HTMLになったり(CGIから直接の場合もあるけど)するわけだし。
そして、僕が逆に疑問に思っていたのは、HTMLだけでつらつらと書いているウェブページの情報量の少なさと、検索性の悪さだ。数百文字にもならないHTMLや、そのほとんどが画像に文字を書き込んであるようなウェブページに出会うと、なんだかHTMLである必要もWWWである必要も感じ得ない。画像ばっかりのウェブページってナニが困るって、検索サイトのキャッシュにでさえほとんど残らないから、検索結果として邪魔なんだよね。
ある個人の意思表示や感想、観測というようなものがひとつながりに参照できて、そのほとんどがHTML化している、それがさらにTrackBackという形でリンクされている状態、このweblogによって築かれつつある新しい、まさに「web」は、情報の検索性において、原始の形であり、同時に究極的な進化の形態のひとつであると思う。
また、過去、まさに「マイ・ホームページ」を持った人々の経験にあると思う「リンクさせていただきました」的結束感の、微妙な閉鎖さ。結局はある程度友達、ある程度同好、ある程度同類的側面を持ったもの同士が「相互リンク」をしていることによって、リンクで訪れた先も、あんまり内容として違っていないページだったりして、ちょっと見る気を失くしたりして。
また、コンテンツと掲示板が分離していることにより「コンテンツのあれについて聞きたいんですけど」という書き込みと「全然関係ないんだけど、今度のみに行こうよ」的な内輪受け書き込みが入り混じった状態の掲示板が生まれ、自ずと一見さんが遠ざかっていく結果で。
あるテーマについて誰かがEntryを出す、それについて軽くコメントしたり、また自分のweblogでトラックバックして話題が膨らんでいく、それがweblogのよいところであって、ある意味では過去の「マイ・ホームページ」な空間のちょっと狭い世界観を打破しているところであると思っている。

関係ないことが書けない、って言われたこともあったけど(笑)、それは当然というか「関係ないことはメールででも」ということでいいじゃん?という肝。関係ないことだったけど、多いに他の人にも関わってくることなら新しいEntryが立つだろうし、そうでなければそれまでのことだということに過ぎないし。

あんがい多様な範囲にweblogに対して批判的な意見があることに、ちょっと驚いた。
いままでのこと、現在のこと、これからのことについて、wwwの世界を理解しているなら当然でてくる疑問、それらを簡単に解決しようという方向性を否定するのは、なんかピントが合ってなくない?