蒼天航路(31)

ネオ三国志も31巻続けばもうスタンダードに近いかもなー。
このマンガの美点は、作者の意思があまりぶれないで画に反映されている点ではないかと思う。
原作や何か下敷きになるものがあるようなマンガの場合、原作者や下敷きにしたものの意思と画家の意思との微妙なズレが生まれて、それがよい効果を生んだり、あるいはもうリズムが狂いっぱなしで大変、っていうようなことがあったりする。この場合、もともとの原作者であるイ・ハギン氏が急逝して、画家であったはずの王欣太氏が原作部をそのまま引き継いだという経緯がある。当初は多少型破り的ではあるものの、マンガとしてのストーリー展開はごくわかりやすい範囲で進んでいた。引継ぎ後はその型破りさに拍車がかかり、よい意味で王欣太氏のブロークンでパンクなストーリー展開が「蒼天航路らしさ」のようなものを生み出している感じだ。

あとがきにもあるように、物語は終盤を迎えている。
司馬仲達が舞台に登場し、劉玄徳が漢中に侵攻する。これからハン城の戦いに向かい蜀が立ち、正に三つ巴の勢力が激突し、英雄が死に、乱が生み出されていく。その終末に向かって、王欣太氏の怒涛の筆を期待している。

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