音楽とは何か

ITmedia ライフスタイル:速やかに「iPod課金」を――音楽関係7団体が強く要望
かまびすしいです。
私個人の考え方ですけど、音楽もいずれ「オープンソース」がその主流になっていくと思っています。コンピュータソフトウェアが、ミッションクリティカルなアプリケーションソフトウェアを除いて、多くの場面、場所においてオープンソースによるソフトウェアで満たされてきている現状は、ごく自然な出来事です。
ソフトウェアにおける「著作権」は、現実的に認めなくていいと思っています。総合的なアプリケーションとしてのいわば「実用新案」や「製造物に関する権利」としてみるべきだと思っています(実際、知材な方向でもそう見る向きは多いみたいですが)。なぜなら、部分的に見た場合、変数Aと変数Bに格納されている数値を加算して変数Cに格納する、というコードは誰が書いても変わりはなく、1000人がいたら300人ずつ同じコードを書くくらいの勢いでしょう。結局はそれの集合です。絵画や彫刻ほど多くの選択肢を持っているとは思えません。芸術とはいいきれないと思います。そういう視点からソフトウェアは著作物ではなく、加工品にごく近いものだと考えます。それゆえに、オープンソース、あるいはクリエイティブ・コモン・ライセンスといった考え方にフィットしているわけです。
転じて音楽はどうかというと、現実的な側面から見た時に、音楽は、絵画や彫刻よりも広く一般に浸透している芸術であり、かつ現在一般に聞かれている音楽は音楽という芸術の中の一部であり、その一部だけを取り出してみるに、結局のところは「五線譜に書き記せる」という条件に当てはまっています。以外にコンピュータソフトウェアの現実と非常に近いと思います。一般の人にとって、宇宙シミュレータのようなソフトウェアは雲の上のものですし、それらのソフトウェアがほとんど芸術ともいうべき能力をもっているものですから保護されてしかるべきです。しかし、実際に我々が触れることのあるソフトウェアは銀行のATMのタッチパネルに表示されるボタンやガイダンス、あるいは電車の券売機、自宅のパソコンのOS、ブラウザ、ウェブの内容、ミュージックプレイヤー等、そういったものですが、それらはコンピュータソフトウェア資産の世界的な集合からみたら、ごくごく一部です。そして、それらはまとめてみると、おおよそ十指に余る程度のコンピュータ言語によって書き記されているものです。
ありとあらゆるソフトウェアがオープンソースではないが、我々に触れる部分に近いソフトウェアがオープンソースになりつつある、という現状が、つまり音楽にしてみれば、我々がコンビニのスピーカーから、ラジオから、ネットから流され聞く音楽もまたオープンソースになりえると思います。
まあ具体的なところ(笑)、既得権益を保護しようと躍起になっているなんとか協会に搾取されるよりも、もっとたくさんの人に自由に音楽を聞いてもらいたいと願う音楽製作者がより多くなってもらいたいと思う次第です。

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