甘酸っぱい

札幌ススキノの老舗バー「バーやまざき」の店主にしてバーテンダーの山崎達朗氏が、その半生を綴った著書「すすきのバーテンダー物語」で氏はこう語っています。
「カクテルというものは、基本的に甘酸っぱければおいしいものです。」(と、この引用は、記憶で書いてますので、引用になっていないかも。意訳ということで。)
氏がオリジナルカクテルを編み出す術を述懐している場面での言葉だったのですが、あっさりと言い得て妙です。
星の数ほどあるというカクテルのレシピにおいて、それこそ「甘酸っぱいカクテル」というのは半数、あるいはそれ以上あるかもしれません。
多くの場合、スピリッツに柑橘系フルーツのジュース、シロップ等の糖分を加えるレシピがまずカクテルの根源的レシピであり、あとはそのバリエーションにすぎない、という見方さえできるでしょう。
カクテルの基本形とでも言うべきスタイルには、サワーやフィズといったものがありますが、これはまさに「サワー=ベースとなる酒にレモンジュースとシロップ(砂糖)を加えたもの」「フィズ=ベースとなる酒にレモンジュースとシロップ(砂糖)を加えてシェイクし、タンブラーに注いでソーダで割ったもの」です。
ジン・フィズ、ウィスキー・フィズ、あるいはウィスキー・サワーというようなものが、それにあたりますし、ベースとなる酒は当人の好みで何をチョイスしても構いません。
どれも基本的には甘酸っぱいものですね。
最近ではこれに、「リッキー=ベースとなる酒にライムまたはレモンを絞って果皮ごと入れ、ソーダで割ったもの」「バック=ベースとなる酒にライムまたはレモンを絞って果皮ごと入れ、ジンジャエールで割ったもの」などもあります。リッキーはそうではありませんが、バックの場合は甘酸っぱいといえるでしょう。
そういえば、昔、バーテンダーに「ジンにレモン搾って砂糖ちょっと入れてシェイクして、それをソーダで割ってくんない?」と頼んだら、快く返事をして作り始め、かなりの手順を踏んだところで「これって『トム・コリンズ』じゃないですか」と、当時はまだ珍しかった「ノリツッコミ」をされたことがありました。蛇足。
ま、何を書きたかったのかはもう僕の脳内にもないので、ここらへんで。


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